【北京五輪】トンガの選手「私を必要としている別の仕事がある」として出場辞退。スポーツで人の命は救えないのか

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　東京や平昌（韓国）など夏冬3回のオリンピックの開会式に上半身裸の旗手として参加して注目を集めたトンガのピタ・タウファトフア選手（38）は、4日に開幕する北京冬季オリンピックに出場しない考えを明らかにした。1月の海底火山噴火で甚大な被害を受けた母国の復旧活動に奔走するタウファトフア選手は2日にインスタグラムを更新し、「私を必要としている別の仕事がある」と説明。引き続き母国の支援に当たる一方、2024年パリ五輪を目指す意向も示した。

　南太平洋のトンガでは1月15日に発生した海底火山噴火による津波で多くの家屋が流され、タウファトフア選手の父親も一時家族と連絡が取れなくなった。タウファトフア選手は支援のためのクラウドファンディング（CF）を始めたほか、自身のネット交流サービス（SNS）で現地の写真を公開し、火山灰に覆われてなかなか復旧が進まない島国の状況を伝えている。

　2日に更新したインスタグラムでは、雪上でクロスカントリー用スキー板を履き、おなじみの上半身裸姿の写真とともにメッセージを投稿。過去2年間は試合ができなかったとして新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）の影響なども示唆しながら、「いいことも悪いことも人生の一部として、笑顔で受け止めたい」とつづった。北京五輪に挑む全ての選手を応援し続けたいとする一方、「心の準備はできている」とパリ五輪へ意欲を見せた。

　タウファトフア選手はリオデジャネイロ、平昌、東京の3大会でテコンドーやクロスカントリースキーに出場。

開会式で上半身裸に民族衣装姿でトンガの国旗を振る姿が世界的な注目を集めた。

トンガ支援のCFは目標額100万豪ドル（約8200万円）に対し、約80万豪ドル（約6600万円）が寄せられている。【林哲平】

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