引用元: https://nova.5ch.net/test/read.cgi/livegalileo/1665883197/
死力を尽くしたオリックスとソフトバンクの戦いを見ながら、補強とは何かとずっと考えていた。長期契約、巨額の年俸、マネーゲーム…。それだけが正解ではないと教えてくれるのが、オリックスのブルペン陣だ。
中嶋監督は5回から継投に動いた。2番手は宇田川。知名度は低いが、僕が最も見たかった投手である。交流戦で対戦した時は、まだ埋もれていた。支配下登録されたのは、締め切り寸前の7月28日。そんな投手がブルペンの救世主となった。8月以降、19試合に登板して防御率0・81。最速158キロの球速と140キロ台の高速フォークで、奪三振率は驚異の12・90だった。
リーグ優勝を決めた2日の勝利投手。僕が彼の名を覚えていたのは、入団の経緯を知っていたからだ。「育成なら行かない」。条件を付ける選手は珍しくないが、オリックスはダメ元で育成3位で指名し、宇田川も翻意した。昨季は2軍ですら1試合しか投げられず、防御率13・50。どこかにスイッチがあり、いつの日か押されたということだ。この日も2イニングを無安打、3奪三振。フォークを6球連続で投げ、かすらせもしなかった。
「フォークがよく決まっていて、楽なピッチングができた。ブルペンではすごく緊張しているけど、気持ちの整理ができて、マウンドに立ったら冷静になれる」
こう話した宇田川からバトンを受け取った山崎颯、阿部はいずれもドラフト6位入団。山崎颯は同点弾を浴びたが160キロを計測し、シーズン44試合で防御率0・61の阿部は、リーグ優勝決定戦で胴上げ投手になった。
ドラフト会議まであと4日。立浪監督は自分の目で候補選手の力量を確かめている。上位は重要だが、順位と活躍が頻繁に逆転することは、彼らが証明している。僕は人間が誰かの未来を言い当てるには限界があると思っている。「即戦力」の前評判に惑わされることなかれ。上位で掘り尽くされるのではない。その先にも、静かに宝は眠っている。
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Source: なんJ PRIDE
中スポ「オリックスが『補強の正解は長期契約やマネーゲームだけではない』と教えてくれた」