引用元: http://tomcat.2ch.sc/test/read.cgi/livejupiter/1566447094/
「子供達のため、野球界のために」と切り出した筒香嘉智の言葉は子供達への愛情にあふれていた。
日本における少子化を何倍も上回るペースで野球人口の減少が進んでいるというデータも紹介し、日本の野球界の問題点を指摘して改善を訴えた。
筒香が問題視する「勝利至上主義」。選手の将来的な活躍よりもいまの結果を重視し、目の前の勝利にばかり囚われた考え方は、子供達から野球本来の楽しさを奪い、ときに子供のケガなど健康面にも悪影響を及ぼしている、という指摘だ。昔より大会数も増えているなか、そのほとんどが1度負けたら終わるトーナメント制のため「勝ち続けるためにメンバーが固定され、試合に出られない子は野球が楽しくなくなってしまう」。同時に、勝ち進めば日程的に厳しくなり、試合に出続ける子の体への負担は大きくなる。筒香は「子供達が無理をしすぎて手術をしたり、ケガをして野球を断念したケースを何度も見てきた」と明かし、こうした弊害をなくすため、リーグ制の導入やルールとしての球数制限の導入、さらには長時間練習の制限を訴えた。
高校野球について筒香は「教育の場と言いながら、ドラマのようなことを作ったりすることもある」と指摘。主催が新聞社であることにも触れて「子供達のためになっていない部分をなかなか伝えきれていないのが現状」と話した。それを聞いて、私の頭に浮かんだのは昨夏の金足農だ。公立高校ながら甲子園の決勝まで進んで話題をさらったが、県大会から甲子園の決勝まで9人野球を貫き、疲れの見えるエース吉田に決勝の途中まで1人で投げさせ続けた。私はこれこそ勝利至上主義の弊害が出た最たる例だと思うが、甲子園大会がもしリーグ戦であればこうした起用法はなかったかもしれない。
筒香は2014年は個人的に、15年はウィンターリーグに参加するためにドミニカ共和国を訪問し、日本との指導方法の違いを実感したという。「多くの日本の指導者とは違って子供達に答えを与えすぎることがなく、決して選手に無理をさせない指導だった」と振り返る。 日本も世界有数の野球先進国だが、日本の10分の1の人口ながら、日本の10倍のメジャーリーガーを輩出しているドミニカ共和国など他国から学ぶことがあってもいいだろう。そして、自分で考えて行動する力をつけることは野球以外でも将来役に立つはずだという主張はもっともだし、「野球界も勝利史上主義ではなく、スポーツの本当の意味を理解して、野球の価値、スポーツの価値をみんなが高めていく、そういう行動が必要ではないか」という言葉に深く頷かされた。
筒香も気遣っていたが、少年野球は自身の仕事を持つボランティアの指導者が大半で、彼らに多くを求めるのは酷かもしれないが、それでも子供の将来がいちばん大切なはずだ。「指導者は最新の指導法を勉強して、指導者自身が成長、アップデートしていくことが必要」と筒香は繰り返した。
「子供を守るのは大人。大人が守らないと子供の将来は潰れる」。 質疑応答を含めると1時間以上に及んだ会見で、筒香が何度となく口にした「子供達の将来」という言葉。筒香の強い思いを感じずにはいられなかった。 侍ジャパンの主砲でもあるDeNAの筒香嘉智が勇気を振り絞って発した声は、全国の指導者の耳に届くはずだが、古い固定観念を打ち破って野球界を変えて行くには、大きなエネルギーと時間が必要だ。同じ考えを持つ仲間として、私もできることをやっていこう、とあらためて思わされた。
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Source: なんJ PRIDE
筒香嘉智「高校野球をリーグ戦にするべき」