辰吉丈一郎の宿敵ラバナレスの転落人生。雄大な夢を見続けた元世界王者の今

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1: 以下、名無しで筋肉速報がお送りします 2021/03/18(木) 04:26:14.82 ID:CAP_USER9

ベストファイトは辰吉との第1戦
 日付を調べると1991年11月30日。私はビクトル・ラバナレスvsホセ“ペピージョ”バルデス(ともにメキシコ)のWBCバンタム級挑戦者決定戦を取材した。時の王者は辰吉丈一郎。「これは特報になる」と勇んでメキシコのティファナへ出かけた。結果はラバナレスの12回3-0判定勝ち。サウスポーのバルデスはテクニックとセンスで勝っていたが、ラフファイター、ラバナレスの術中にはまり、持ち味を封じられた。試合後、同じホテルに泊まっていたバルデスを訪ねると、顔面が傷だらけでガーゼと絆創膏ばかり。無言が彼の心境を物語っていた。

 ラバナレスが辰吉に9回TKO勝ちでWBCバンタム級暫定王者から正規王者に就いたのはバルデス戦から10ヵ月後の1992年9月。辰吉との初戦はラバナレスの73戦のキャリア(49勝26KO21敗3分)でベストファイトだったろう。辰吉と戦うまでの10ヵ月の間にラバナレスは5試合行っている。現在のトップ選手と比べるとかなりのハイペースだ。その間WBCバンタム級暫定王者になり2度防衛。辰吉戦は団体(WBC)内の統一戦だった。

 ラバナレスはこの正規王座の防衛は1度にとどまり、1993年3月、辺真一(Byun Jung Il、韓国)にタイトルを明け渡す。続く辰吉との再戦でも判定負け。在位期間は短かった。それでも暫定王者時代と合わせてリングで約100万ドルを稼いだといわれる。2003年11月、41歳でグローブを脱ぐまでキャリア晩年は相手選手の引き立て役としてリングに上がり続けた。

 現役生活を終えた元世界王者の第二の人生を追ってみた。

 ラバナレスの母国メキシコは、まだ新興団体と思われた当時のIBFとWBOチャンピオンも合わせると今まで200人を超す世界王者を生んでいるボクシング大国だ。だが歴代世界王者のうち経済的に恵まれた生活を送っている者は5パーセントに過ぎないという。残りの95パーセントは富を散財しただけではなく、アルコール依存症やドラッグ中毒などの問題を抱えている者が少なくない。ラバナレスも例外ではなかった。

 現役時代から浪費癖が目立ったラバナレス(フルネームはビクトル・マヌエル・ラバナレス)は不幸な元チャンピオンたちの中でも悲惨な部類に入る。メキシコ最南部チアパス州出身のラバナレスには“ラカンドン”というニックネームがある。これは現地の先住民族の名称。同時にファンは彼を“エル・ルスティコ”(田舎者)とも呼んだ。これは親しみを込めた意味もあったが、リングを去ったラバナレスは厳しいパンチに晒される。

3/17(水) 11:42
https://news.yahoo.co.jp/byline/miurakatsuo/20210317-00227868/


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Source: 筋肉速報
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