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闘病しながらUFCと契約を続けたKIDさんの思い

1: 以下、名無しで筋肉速報がお送りします 2018/09/25(火) 12:17:50.03 ID:CAP_USER9
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米メディアの取材に対し、流ちょうな英語で対応していた姿が印象的だった。11年2月、格闘技の聖地、米ラスベガス。今月18日に死去した山本“KID”徳郁さん(享年41)が初めてUFCに参戦した時のことだ。高校中退後、4年間の米留学の経験があり、通訳は必要なし。UFCデイナ・ホワイト社長との会話も弾んでいた。もう何年も前からUFCにいたような雰囲気に見えた。

前座カードにもかかわらず、UFCから異例の要請を受け、メインカードの選手と公式会見に出席した。ホワイト社長から「KIDが私にファイト・オブ・ザ・ナイト(MVP)とノックアウト・オブ・ザ・ナイト(KO賞)を取ると言った」と明かされ、会見の盛り上がりは頂点に達した。急きょ試合順も第3試合から第4試合に格上げされ、ネット生中継も決まった。「メインしか呼ばれない会見に呼ばれて光栄」と感謝したKIDさんには、米国でも暗闇の荒野に道を切り開いてしまうようなオーラを放っていた。

この11年からUFCに軽量級のバンタム級(61・2キロ以下)が新設された。「今まで『オレの階級』がなかった。UFCバンタム級の中心になりたい。集大成のつもりでやる」と明確な目標を掲げた。姉美憂と妹聖子がレスリングで世界女王だったこともあり「UFCはランキング、王座、階級が決まっていて世界の強いヤツが集まる。UFCのベルトが事実上、世界トップ。世界一になりたい」とこだわっていた。

KIDさんが33歳で迎えたUFCデビュー戦は得意の打撃をかわされ、何度もタックルを浴びて判定負け。「殴り合うことしか考えていなかった。ルールを知らないのも準備不足」と反省した。運命のいたずらか、そのデビュー戦の相手デミトリアス・ジョンソン(米国)は12年に新設されたフライ級(56・7キロ以下)でUFC王座を獲得。UFC最多の11度防衛に成功し、王座陥落するまでパウンド・フォー・パウンド(階級を超越した最強選手)1位に君臨した。「たら」「れば」を言えばきりがないが、UFCがあと5~6年早く軽量級を新設すれば、KIDさんが「オレの階級」で日本人初のUFCベルトを手にしていたかもしれない-と今でも思う。

7年前、あのUFC公式会見で、KIDさんが壇上に設置されたUFCベルトをじっくり眺めていた姿を覚えている。闘病しながら「集大成のつもり」の言葉通り、UFCとの契約を続けた。実現しなかったが、オクタゴン(金網)の中で英語の勝利者インタビューに応じるKIDさんは、きっと格好良かったに違いない。

【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

9/25(火) 10:21
日刊スポーツ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180925-00341347-nksports-spo


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Source: 筋肉速報
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